水元保育園では、様々な年齢の子どもが一緒に生活やあそびを共にする、異年齢児保育を行っています。
日本の幼児教育学者である小川博久氏(聖徳大学教授)の著書には、このように記してあります。
『あそびなしに人間は何も学ぶことはできない。生きるためのすべてを幼児は、見てまねることで学びとる。』
今だからこそ、子どもたちは同年代以外の子どもとクラスの垣根を越えて、『生活やあそびを見てまねる』『みんなで生活を営む』『たくさんの人と支え合っていく』という貴重な時間と体験が必要だと考えています。
また、いつでも自分のタイミングで関わること、つまりポジティブな気持ちが働くなかで関わる方が、より子どもには重要です。その環境を考えた結果が、現在の形になりました。
今回は、この3つの視点から、園で実際に起きていることをお伝えします。
くま組の子は、きりん組、らいおん組の子を見て、あそびを真似ています。
一方で年上の子は、年下の子に関わる中で、思いやりや優しさを培っていきます。年長児は年下の子を、守るべき存在、いろいろなことがわからない存在と感じているようです。だから、大人が言わずとも教えたり、一緒に取り組んだりする姿が見られます。
では、年長児にとってはどうでしょうか。
年長児は、昨年度のらいおん組と半年ほど一緒に過ごしていました。まだまだ真似をしたいことがあったように思います。その真似をしたい存在として、我々保育士(大人)が、あそびや生活の模範を示していきます。
そして、一人ひとりの想いを大切にすることで、子どもが尊重される、認められるといった経験を保障していきます。
年上の子のあそびをじっと見つめる年下の子
年長児は、『らいおん会』で決めた生活やあそびのルールを、くま組やきりん組の前で発表する機会があります。
前に出ることや話し合うことがあまり得意ではない子が、それを機に「らいおん会、おもしれ~!」と笑顔で話していました。
自分たちで生活のルールを作ること、それをみんなで守っていくこと。知識として教えられるルール以上に貴重で、自分たちで考えたからこそ守ろうと思えるし、一番大切な「守る理由」が子どもの心に根付くと考えています。自分が人生の主人公であり、世界は変えられると実感できる体験です。
また、大人が話しても、子どもに伝わらないことが多々あります。そんな時は、子どもに頼ります。子ども同士の方が分かり合えることが多いようです。子どもの力をもっと信じて任せることで、子どもの中にある力が引き出されます。
クラスの中で馴染めずにいた子が、クラスの垣根を取り払うことで、今までなかったコミュニティを形成し、そこで存在意義が生まれました。
すると、今までカッとなりやすい気が短いタイプだった性格が、穏やかになりました。友だちとのコミュニケーションが円滑になり、クラス内でもイキイキと発言するようになりました。(らいおん組)
また、トラブルが起きると、保育士ではなく、周りにいる子が寄り添うことがあります。らいおん組の子に限らず、きりん組、くま組の子も。そこに年齢は関係なく、気持ちに共感し合えることが、唯一の条件です。
私たちは、子どもたちから学ぶことが多く、お互いに支え合い、尊敬し合える存在であることを、あらためて認識させられます。
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