目指す子どもの姿になるまでにはいくつかのステップがあり、幼少期の過ごし方がとても重要です。
また年齢や発達段階毎に、必要な子どもへの関わり方が大きく変わってきます。
水元では子どもの「4つの成長段階」に合わせて、子どもとの関わり方について考え、取り組んでいます。
担当保育士を中心に、1対1の信頼関係を築くことを心がけています。
1対1の信頼関係ができると保育園が安心できる場所になり、他の先生や友だちにも目が向くようになっていきます。
※排泄や食事、睡眠などの生理的欲求を満たしてもらおうと泣いて訴えた際、その気持ちを受け止めてもらう経験を通して子どもは「大切にされている」ことを実感します。こういった経験は小さい年齢の子どもにとってとても大切な経験です。
抱っこなどのスキンシップを存分に取ってあげることも「大切にされている」と感じる大きな要素になります。
◇「情緒の安定」は生きていく中でのベースとなる力であり、多く育てばその分人生が豊かになる力です。園では0,1歳児はもちろんのこと、全年齢の子どもに対して情緒の発達と安定に繋がる関わり方を心がけていきます。
この1点に意識して関わります。
自主性の発達といえば代表的なものに「イヤイヤ期」が挙げられますが、イヤイヤ期は自主性が芽生えてきた証とも言えます。
イヤイヤ期に入ると“何でも自分でやりたがる”姿が見られます。これも意欲、つまり自主性の表れと言えるでしょう。
水元では、具体的に以下を意識して、保育に関わっています。
子どもの意欲を大切にするにあたって必要なのが縛りをなくすことです。特に時間の縛りがあると子ども1人1人の声や主張に耳を傾ける余裕がなくなります。
保育園生活であれば、「散歩に行く時間を設定」「昼食の時間を設定」などが挙げられます。例えば、散歩に行く時間を厳密に守ろうとすると、子どもが「自分で靴下や靴を履きたい」という思いに応えられなくなります。
同様に昼食の時間を守ろうとするあまり、午前中の活動の逆算が始まって色々な時間の制約が生まれてくることもよくあります。このような状態では子どもの意欲を大切にする保育は難しくなります。
子どもと関わる際に意識していきたい物が「不必要な援助」です。不必要な援助とは、大人が手を出さなくてもいいことに出してしまうことを指します。
子どもが苦戦している場面を見かけると、やってあげたくなることがあると思います。手伝うことが悪いわけではないですが、なんでもやってあげていると子どもの自主性は育たなくなります。
また、時間に追われていると大人の都合で援助をしてしまうこともあるかもしれません。特に自主性の育ちだす1~2歳児クラスでは“不必要な援助”をしすぎないように意識し、関わり方や援助の仕方を日々考えています。
「おもちゃの独り占めは良くないか?」と問われたら大人の感覚では良くないと答える人が大半かと思います。ただし、これは大人の場合の話であり、子どもの場合は話が変わります。
特に自主性が育ち始める年齢の子どもにとっては「○○ちゃんにも貸してあげようね。」などという声掛けは全く必要ありません。このような話の際に「そんな対応をしているとわがままな子に育ってしまう。」というような意見が出てきます。
そういった思いのある方は、成長の為のステップをしっかりと踏んでいると考えてください。
実際のところ、「一人で使いたい」という思いを十分に保証してもらっている子どもは、その経験があるからこそ「自分から友だちに物を貸してあげる」子どもになります。自分の主張を受け止めてもらった経験を積んだ子どもは自己肯定感が育まれていくからです。
自己肯定感が育まれると、他人と比較をして自分の存在意義を確かめる必要がなくなり、その結果、友だちに対する思いやりが自然と育っていきます。子どもたちは成長していくにつれ、自然と個から集団になっていきます。
個を伸ばす時期に集団で教える必要はありません。おもちゃの独り占めでトラブルになっている時に掛ける第一声が「お友だちも使いたいみたいだよ」ではなく、「1人で全部使いたかったのかな?」と言ったような関わり方を心がけています。
個から集団へとなっていく段階では、「困っている時に手助けする」という関わりを意識しながら保育をしています。
保育園でも大人がつい手助けしたくなる場面はよくあります。
しかし、場合によっては手を出さないほうがいいことがあると理解し、「こういった場面では、どのように手を差し伸べればいいのか?」といったテーマを日々話し合って検討しながら保育をおこなっています。
2~3歳児クラスになると徐々に言葉でのやり取りが増え、友だちと一緒に遊ぶ姿も増えてきます。もちろん初めのうちは友だちとのやり取りが上手くいかずにトラブルに繋がることもよくありますが、そういう時は保育士が気持ちの代弁をしながら相手の子に伝えていきます。
このような援助を受けながら友だちとのやり取りを積み重ねていく中で社会性を発達させていきます。
興味を持ったことに対して本で調べたり、大人に尋ねてみたりという姿は4歳頃から特に増えます。興味を持ったことに対して没頭する経験を積み重ねていくことで段々と集中力が養われていきます。
年齢の小さい子どもが学ぶ方法としては主に「見て学ぶ」ことが挙げられます。家庭であれば家族の姿から、保育園であれば保育士や同年齢・異年齢の子どもたちを見て学んでいます。
大人からすると、「知識」という言葉からはいわゆる「勉強」を思い浮かべるかもしれませんが、子どもにとって大切な知識は「遊びの中で学んだ経験」を指します。
子どもにとっては、遊び=学びなのです。思い切り遊ぶ中で主体性や創造性、社会性、集中力、道徳心、好奇心、危険察知能力といった様々な力を育てていきます。
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